持続可能性は、もはや選択肢ではなく必須事項です。Digital Linkは持続可能な取り組みの重要性を理解しており、そのためにサーキュラーエコノミー行動計画を支持しています。この計画は欧州グリーンディールの重要な要素であり、持続可能な製品のエコデザイン要件を設定するための枠組みを定める2024年6月13日付の規則(EU)2024/1781(ESPR)の基盤となっています。6月28日、欧州連合はEUの製品をより環境的に持続可能なものにするための画期的な規則を公布しました。この新しい持続可能な製品のためのエコデザイン規則(ESPR)は、製品の設計、製造、廃棄のあり方を大きく変え、EUをサーキュラーエコノミーへと導くものです。
この記事は2024年6月の規則公布について取り上げています。デジタル製品パスポートを創設する条文、データキャリアの義務、誰が何を義務付けられるのかといった最新の状況については、規則(EU)2024/1781に関するガイドをご覧ください。
ESPRが重要な理由
エコデザイン規則は、単なる法令のひとつではありません。欧州グリーンディールの枠組みにおいて、環境への影響を減らし、持続可能性を推進するための極めて重要な一歩です。持続可能な製品のためのエコデザイン規則(ESPR)は、EU市場に投入される製品の環境的持続可能性と循環性を高めることを目指しており、製品の環境的持続可能性の側面を向上させるための法的要件と義務を製造業者に課しています。
新しい持続可能な製品規則の概要
6月28日に公布されたこの規則は、ライフサイクル全体を通じて製品の環境への影響を減らすための包括的なエコデザイン要件を義務付けています。主な目的は、耐久性があり、修理でき、再利用でき、リサイクルできる製品をつくることです。
欧州委員会の施策の一環である持続可能な製品イニシアチブは、製品の耐久性、再利用性、修理可能性、リサイクル性、エネルギー効率を高めることで、持続可能な製品をEUの標準にすることを目指しています。
主な目的は、製品をより耐久性があり、修理でき、再利用でき、リサイクルできるものにすることです。これらの要件を実施することで、EUはより循環的な経済を築き、廃棄物を減らし、資源を保全することを目指しています。

規則の内容
定義と適用範囲
エコデザイン規則は、EU域内で販売される製品が満たすべき要件を設定するための枠組みを定めています。対象にはエネルギー関連製品が含まれますが、新しい持続可能な製品のためのエコデザイン規則(ESPR)では、環境的に持続可能で循環的な製品の範囲と幅を、エネルギー関連製品以外にも広げる必要性が強調されています。この規則は当初エネルギー関連製品を中心としていましたが、現在ではエネルギー関連以外の製品にも対象が拡大しています。自動車や一部の防衛関連製品など、ごく少数のカテゴリーを除き、幅広い製品が対象となります。
主な構成要素と要件
デジタル製品パスポート(DPP)
製品には、その持続可能性と環境への影響に関する詳細な情報を提供するDPPが必要です。
売れ残り消費者製品の廃棄禁止
売れ残った繊維製品や履物は廃棄できなくなり、資源のより良い活用が促されます。
製品ごとの具体的な要件
耐久性、エネルギー効率、素材構成に関する詳細な要件です。
- 複数の製品グループに横断的に適用される可能性のある要件としての再生材含有率。
資源効率としての再生材含有率は、第5条第1項に挙げられた16の製品側面のひとつです。

デジタル製品パスポート(DPP):新しいエコデザイン規則の重要な構成要素
デジタル製品パスポート(DPP)は、新しいエコデザイン規則の中でも特に革新的で影響力の大きい要素のひとつです。製品の持続可能性と環境への影響に関する詳細な情報を提供する、包括的なデジタル文書です。
製品パスポートは、ライフサイクル全体を通じて製品に付随するデジタル記録です。原産地や素材から環境フットプリント、使用後の選択肢まで、製品のさまざまな側面に関する重要な情報が含まれます。DPPは透明性とトレーサビリティを確保し、消費者、企業、規制当局が、使用・販売・規制する製品について情報に基づいた判断を下せるようにします。
DPPの主な要素
- 製品情報:
- 原産地:原材料や生産工程に関する情報を含む、製品がどこでどのように製造されたかの詳細。
- 素材:使用されている素材、その調達元、持続可能性や安全性に関する認証についての包括的なデータ。
- 製造:エネルギー消費量、排出量、廃棄物管理の取り組みを含む、製造工程に関する情報。
- 環境への影響:
- ライフサイクルアセスメント(LCA):原材料の採取から廃棄まで、さまざまな環境的持続可能性の側面を含め、ライフサイクル全体を通じた製品の環境への影響に関するデータ。
- カーボンフットプリント:生産、輸送、使用の各段階における製品の炭素排出量に関する詳細な情報。
- 資源効率:水、エネルギー、原材料などの資源を製品がどれだけ効率よく使っているかについての知見。ESPRは、エネルギー性能や循環性にとどまらず、その他の環境的持続可能性の側面にも取り組むことを目指しています。
- 耐久性と修理可能性:
- 耐久性基準:通常の使用条件で製品がどのくらい長持ちするかに関する情報。
- 修理可能性スコア:交換部品や修理手順の入手しやすさを含め、製品の修理のしやすさを示す評価。
- リサイクル性と使用後の選択肢:
- リサイクル手順:どの部品をどのようにリサイクルできるかを含む、製品を適切にリサイクルするためのガイドライン。
- 使用後の廃棄:耐用期間を終えた製品を安全かつ環境に配慮して廃棄するための選択肢に関する情報。
- コンプライアンスと認証:
- 規制への適合:製品が関連するすべてのEU規則と基準を満たしていることの確認。
- 持続可能性認証:持続可能性や環境基準を満たしたことで製品が取得した認証の詳細。

規則がもたらす影響
環境への影響
この規則は、製品設計を改善することで製品の環境フットプリントを大幅に削減することを目指しており、廃棄物の削減、エネルギー消費の低減、温室効果ガス排出量の削減につながります。
経済と市場への影響
企業にとって、この規則は製品設計と製造工程の見直しを意味します。初期費用がかかる場合もありますが、持続可能性を求める消費者の需要の高まりに製品を合わせることで、新たな市場機会も生まれます。
対象となる製品
製品カテゴリーの一覧
この規則は、以下を含む幅広い製品に影響します。
繊維製品(衣類と履物)
家具(マットレスを含む)
タイヤ
洗剤と潤滑剤
化学品と塗料
情報通信技術製品

現時点の対象製品リストは広範ですが、すべてを網羅しているわけではありません。EUエコデザイン規則の対象製品の範囲は、新たな環境課題や技術の進歩に対応して拡大していくと見込まれています。
これらのカテゴリーのうち、どれが現在実際にパスポートの義務を負い、どれがまだ委任法令を待っているのかは、変化し続けている部分です。規則(EU)2024/1781に関するガイドで、分野ごとに追跡しています。
規則が課す義務
規則の第7章は、サプライチェーン全体に義務を割り振っています。製造業者、認定代理人、輸入業者、流通業者、販売業者、フルフィルメントサービス事業者、オンラインマーケットプレイス、サプライチェーンの関係者は、第27条から第38条でそれぞれ独自の義務を負います。プライベートブランド事業者が該当するのは第34条で、自社の名称や商標で販売する輸入業者や流通業者は製造業者の義務を引き受けることになります。規則(EU)2024/1781に関するガイドでは、誰が何をしなければならないかを条文ごとに解説しています。
企業のための対応戦略
コンプライアンスのためのステップ
製品監査を実施し、現在の製品が新しい要件を満たしていない部分を特定します。
設計と製造工程を見直し、持続可能な取り組みを取り入れます。
必要な情報をすべて盛り込んだデジタル製品パスポートを作成します。
導入のためのベストプラクティス
サプライヤー、顧客、規制当局を含むステークホルダーと連携します。
従業員が新しい要件を実施できるよう、研修に投資します。
ライフサイクルアセスメントを活用して製品の環境への影響を評価し、改善の機会を特定します。
技術的・管理的な措置
規則の実施を管理・監督するコンプライアンスチームを設置します。
DPPやその他の必要な記録を維持・更新するための文書管理システムを構築します。
違反した場合の影響
罰則と罰金
違反すると多額の罰金や罰則が科され、収益性に影響する可能性があります。
市場からの排除と製品リコール
規則に適合しない製品はEU市場から締め出される可能性があり、企業はリコールを求められることもあります。その結果、経済的な損失や評判の低下につながります。
法的・規制上の影響
違反は規制当局や消費者からの法的措置につながり、長期にわたる費用のかかる法的紛争を招く可能性があります。
補完的な法令と委任法令
委任法令とは、欧州委員会が製品カテゴリーごとに採択する具体的なルールであり、枠組みを実際の期日を伴う実際の義務へと変えるものです。欧州委員会の作業計画は、各カテゴリーを取り上げる順序を定めています。委任法令の仕組みの詳しい解説と、どの分野が順番待ちになっているかについては、規則に関するガイドをご覧ください。

まとめ
新しいエコデザイン規則は、製品の設計、製造、廃棄における大きな転換を意味し、製品の持続可能性を高めるための厳格な要件を定めています。コンプライアンス費用や管理上の負担といった課題がある一方で、市場での差別化、イノベーション、長期的なコスト削減の機会ももたらします。
環境フットプリントを削減し、サーキュラーエコノミーを推進することで、この規則は環境を守るとともに経済のレジリエンスを高めます。積極的に適応する企業は、法令を遵守するだけでなく、持続可能な市場をリードし、イノベーションを推進して、環境に配慮した製品を求める消費者の需要を取り込むことができます。
まとめると、エコデザイン規則は当初は難しい面もありますが、世界的な持続可能性の潮流に沿ったものであり、環境と経済の両方に恩恵をもたらします。
当社がどのようにお役に立てるか、お気軽にお問い合わせください。





